「教室を開きたいけど、いきなりスタジオを持つのは不安…」
これは開業を目指すインストラクターからよく聞く悩みです。
実際、開業後の集客に失敗すると…すぐに資金が底を付いて撤退せざるを得なくなります。だからこそ、最初の一歩は慎重にそして確実に踏み出す必要があります。
そこでおすすめなのが、「レンタルスタジオで生徒を集めてからテナントを借りて開業する」という、王道の開業スタイル。
このやり方がうまくいけば、開業1年目で黒字化することも十分に可能です。
この記事では、なぜこの方法が効果的なのか、集めるべき生徒数の目安、実際の集客方法、そして注意点までを丁寧に解説していきます。
読み終えるころには、「自分にもできる!」と開業への道筋がリアルに見えてくるはずです。
まずはレンタルスタジオからじめよう
教室ビジネスを始める上で、いきなりテナントを借りてスタジオを構えるのは非常にリスクが高い選択です。
実績もない状態で家賃や設備投資に大きなコストをかけてしまうと、収益が安定する前に資金が尽きてしまうことも少なくありません。
そこで王道と言われているのが、「レンタルスタジオ」や「公民館」などを使ったスモールスタートの開業方法です
これらの場所は時間単位で借りられるため、レッスン数に応じてコストを調整できるのが最大のメリット。仮に生徒数が少ない時期があっても、大きな固定費に悩まされることはありません。
しかも用意するものは、自作のホームページと専用のSNSアカウントだけでOK!
つまり、レンタルスタジオでの開業は「失敗しにくい」+「低リスク」で始められる、実に理にかなった戦略なのです。
レンタルスタジオからテナント開業までの道のり
小規模なスタートでOK。実績ゼロでも始められます。
最初は自分1人で10名以上集めることを目指し、徐々に外注講師を増やして枠を拡大していきます。
ロゴ作成・資金調達・事業計画書など、開業に必要な準備をこの段階で。
既存の生徒に加え、口コミ効果で体験者が増え、スムーズな立ち上がりが見込めます。
なぜ生徒30名以上必要なのか。それは開業後の家賃分を確保するため
開業時に「生徒30名以上」という目標を掲げるのには、明確な理由があります。
それは、将来的に自分のスタジオ(テナント)を持ったときに必要となる家賃を、月謝収入でしっかりカバーするためです。
スクール経営で最も大きなコストは家賃です。たとえば、駅近の商業物件を借りると想定した場合、家賃は安く見積もっても月15万〜30万円程度かかります。
この家賃を支払えるかどうかが、教室経営が継続できるかどうかの分かれ目になります。
仮に1人あたりの月謝が8,000円だとすれば、
30人 × 8,000円 = 24万円の月収
20万の家賃でも問題なく支払えるラインですね。
つまり、生徒30名以上を確保できていれば、開業後に自前スタジオへと移行する準備が整うということ。
逆に言えば、30名に満たない状態でテナントを借りてしまうと、集客が上手くいなかった時点で資金繰りが一気に苦しくなり、経営の継続が危うくなってしまいます。
「30名集められる力」=「自分の教室が自立して運営できる」というテストでもあるのです。

ちなみにご相談いただく開業希望の方は、30人から50人ほど集めてからテナント開業している方が多いですよ。
レンタルスタジオではじめるメリットとデメリット
✅ メリット
- 初期投資がほとんど不要(内装・契約費なし)
- 家賃などの固定費を抑えられる
- スケジュールやレッスン数を柔軟に調整できる
- 失敗してもすぐに撤退可能
⚠️ デメリット
- 信用がなく、ブランディングしづらい
- 集客に時間がかかる
- 時間帯や場所の選択に制限がある
- 備品管理や予約トラブルの対応が必要
このように、低リスクな分「自由度」と「集客」においては課題もあります。しかし、失敗してもお小遣い程度のリスクしかありません。それなら将来的に開業したいエリアで少しづつはじめるのは良い作戦だと思います。
注意:他スクールから生徒を引っ張ってはダメ!
ここでひとつ、大切な注意点があります。
開業準備中にありがちなのが、現在業務委託でレッスンを担当しているスクールやフィットネスクラブの生徒を、自分の教室に引き込もうとしてしまうケースです。
これは絶対にやってはいけません。
スクール業界はとても狭い世界です。不義理を働いた人には、想像以上に早く悪い噂が広がります。
たとえ目先の売上や生徒数が増えたとしても、信頼を失えば長期的に必ず損をします。
たとえ自分が担当していたクラスの生徒だったとしても、その生徒はあくまで「元のスクールのお客さま」です。
もちろん、生徒が自分の意志であなたの教室を選ぶのは自由ですが、こちらから声をかけたり誘導したりするのは絶対にNG。
開業するなら、フェアなやり方で一から自分のファンを集めましょう。
その方が、長い目で見て信頼されるスクール運営ができます。
まとめ|まずは「失敗しない開業」から始めよう
開業は「いかに失敗しないか」を重視した設計が必要です。
レンタルスタジオを使ったスモールスタートは、最小限のコストで最大の成果を狙える、まさに王道の開業法。
そして「生徒30名」の集客は、現実的で十分に可能な目標です。
大切なのは、「理想」よりも「現実」に即した第一歩。確実に一歩ずつ、地に足をつけた経営を始めましょう。